意志の力のさらなる活用
貧しさに注目すると、新たな貧困が生まれる
外的なものであっても想像上のものであっても、対立するイメージに注意を向けていると、純粋で明確な豊かなビジョンを保つことはできません。
過去に経済的な問題を抱えていたとしても、今後は決して口にしないでください。両親の貧困や幼少期の苦難について話してもなりません。そうした話題を口にすることは、あなたが自分自身を精神的に貧しい者とみなしていることになります。あなたへ向かっている物事の流れを止めてしまうでしょう。
「死人を葬るのは、死人に任せておくがよい」(ルカによる福音書 9章60節)とイエスは言われました。
貧困に関するあらゆるものを完全に捨て去りましょう。あなたは、宇宙に関する特定の理論を正しいと受け入れ、幸福へと続くすべての希望を託しています。矛盾する理論に耳を傾けて、何が得られるのでしょうか?
裕福になるための、効果的な時間の使い方
「世界はもうすぐ終わりを迎える」と説く宗教書を読むのはやめましょう。「世界は破滅に向かっている」と良くない噂を騒ぎ立てる人々や、悲観的な哲学者たちのが書いたものも読まないでください。
世界は破滅に向かっているのではありません。神へと向かう素晴らしい変化の中にあります。
現状にはさまざまな不快な事柄があるかもしれません。しかし確実に消えていくことを研究して何の意味があるのでしょうか?研究を続ければ、それらが消えていくを妨げ、私たちの元に留まり続けます。進化によって取り除かれつつあることに、時間と意識を払う必要があるのでしょうか?あなた自身が率先して進化・成長することで、不快な事柄はより早く取り除かれていきます。
特定の国、地域、場所の状況が、いかに恐ろしく見えたとしても、そのことを考えるのは時間の無駄です。あなたからチャンスを奪います。
世界が豊かになっていくことに関心を向けましょう。
世界が抜け出そうとしている貧困ではなく、世界が得ようとしている富について考えるのです。
あなた自身が競争的ではなく、創造的に豊かになることだけが、世界を豊かにします。この点を心に留めておいてください。
豊かさにのみ完全に集中し、貧困には目を向けないことです。
貧しい人々について考えたり話すときは、彼らを「豊かになりつつある人」として捉えましょう。そして、彼らを憐れむべき人ではなく「祝福されるべき人」として捉えましょう。そうすれば、彼らも他の人々もインスピレーションを得て、その状況から抜け出す道を探し始めるでしょう。
豊かさを求めるのは卑しいこと?
「あなたのすべての時間と心と思考を富に捧げるべきだ」と私が言うのは、「あなたが卑しく意地悪い人間になるべきだ」という意味で言っているのではありません。
本当に豊かになることは、人生における最も高貴な目標です。その目標には他のすべてが含まれています。
競争の次元では、お金持ちになるための戦いは、他の人を力で従わせる無慈悲な奪い合いです。しかし、私たちが創造的な精神に至れば、すべては根底から覆ります。
偉大さや魂の開花、奉仕や高尚な努力といった可能性は、お金持ちになることで実現できます。そうした可能性のすべては、物を使うことで実現します。
健康を損ねているなら、健康になるためには、豊かになることが条件なのだと気づくでしょう。経済的な心配から解放され、気兼ねなく暮らし、衛生的な習慣を実践する手段を持つ人々だけが、健康を手にし、維持できるのです。
道徳的・精神的な偉大さは、生存をかけた競争的な戦いを超越した人のみが達成できます。創造的な思考で豊かになりつつある人々だけが、競争によって品位を落とす影響から自由なのです。
あなたが家庭の幸福を望むなら、洗練され、高い思考レベルがあり、品位を落とす影響から自由な場所でのみ、愛は最も豊かに花開くことを覚えておいてください。争いや競争ではなく、創造的な思考によってお金持ちになることでのみ、愛は見出されます。
繰り返しますが、お金持ちになることほど偉大で高貴なことはありません。あなたのビジョンを曇らせたり、曖昧にしてしまう一切のものを排除して、心の中の豊かさのイメージに意識を集中しなければなりません。
あらゆる物事の根底にある真実を見る必要があります。一見間違って見える状況の中に、より豊かな表現、より完全な幸福へと常に前進し続ける大いなる生命を見出すのです。
「貧困は存在しない。富だけが存在する。」これが真実です。
「豊かになれない人」への処方箋
自分にも富があるという事実を知らないがために、貧困のままでいる人々がいます。彼らに、豊かさへの道を示すのに最も効果があるのは、あなた自身が行動し実践することです。
他にも、貧しさから抜け出す道があると感じつつも、考えるのが億劫で、その道を見つけ出そうとしない人々もいます。貧困から抜け出すために必要な精神的な努力を払わずにいる人々です。彼らにしてあげられる最善策は、正しく豊かになることで得られる幸福を示し、彼ら自身の願望を呼び覚ますことです。
科学的方法について多少は知っているけど、神秘主義やオカルトの迷宮に迷い込み、道を見失ってしまったために貧しい人々もいます。色々な教えをごちゃ混ぜにして試してみるものも、どれもうまくいきません。こうした人々にも、あなた自身が行動と実践によって正しい道を示すのが良いでしょう。実践の価値は、理論の比にならないほど絶大です。
あなたが全世界のためにできる最善策とは、あなた自身を最大限に活かすことです。
あなたが豊かになること以上に効果的に、神と人々に仕える方法はありません。競争的ではなく、創造的な方法によって豊かになりましょう。
小難しい理論は不要。シンプルな方法で豊かになれる
豊かになるための科学的な方法を本書は詳細に示しています。あなたが豊かになる方法について、他の本をあれもこれも読む必要はありません。このように主張すると、私が心の狭い人間で、自己中心的に聞こえるかもしれません。しかし考えてみてください。数学において、足し算、引き算、掛け算、割り算以外に科学的な計算方法はありません。他の方法は不可能です。2つの点の間の最短距離はひとつしかありえません。科学的に考える方法はただひとつ、最も直接的で単純な経路で目標に到達する方法で考えることです。
この本で述べられているものよりも、簡潔でシンプルな理論体系を明確に示した人はいません。不要な要素を取り除いた本書の方法に取り組むのなら、他のすべては脇に置きましょう。
この本を毎日読んでください。常に持ち歩き、記憶に刻み込み、他の理論のことは考えないようにしてください。そうしないと、あなたの中に疑う気持ちが生じ、思考は不安定に揺らぎ、失敗へと向かい始めるでしょう。
あなたが成功し、豊かになった後なら、他の理論を好きなだけ研究しても構いません。しかし、あなた自身が望むものを手に入れたと完全に確信するまでは、本書以外の方法論を読まないようにしてください。ただし、序文で言及した先人たちのものは、その限りではありません。
世界のニュースについては、最も楽観的な論評だけを読みましょう。あなたのイメージと調和するものだけを読むのです。
オカルトへの探求も、今はやめましょう。神智学、心霊主義、それらに類似する研究に、手を出してはいけません。「死者は生きていて、近くにいる」かもしれませんが、そうだとしても、彼らのことを今はそっとしておきましょう。あなた自身の仕事に専念しましょう。
死者の霊がどこにいたとしても、彼ら自身の仕事は、彼ら自身が解決すべき問題です。
彼らに干渉する権利は私たちにはありません。彼らを助けることもできませんし、彼らが私たちを助けることができるかどうか、できたとしても、彼らの時間を侵害する権利が私たちにはあるかどうかは、非常に疑わしいことです。
死者と来世については手を出さず、あなた自身の問題を解決しましょう。まず豊かになるのです。オカルトと交わり始めれば、精神的な逆流が生じ、あなたの希望は必ず破滅してしまいます。
欲しいものを現実化するためのポイント
ここで、これまでの章でお伝えした事実を整理しておきましょう。
- すべての物はひとつの「思考する物質」から作られており、それは本来の状態で宇宙の空間に浸透し、行き渡り、満ちています。
- この物質の中の思考は、思考によってイメージされた物を生み出します。
- 人は、思考によって物事を形作れます。「形なき物質」に思考を伝えることで、自分が考えている物を創造できます。
- そのために、人は競争心を捨て、創造的な心を持つ必要があります。自分が望む物の明確なイメージを描き、「⼿に⼊れる」という確固たる意思と、「望む物は必ず⼿に⼊る」という揺るぎない信念を持つことです。ビジョンを曇らせ、意思を揺るがし、信念を打ち消す、あらゆる考えを心から締め出しましょう。
以上の精神的な土台に加えて、「確実な⽅法」に従って行動しなければなりません。次章からは、その具体的な行動について解き明かしていきます。